「スーパーの女」 BS2
1996年 監督・脚本=伊丹十三/出演=宮本信子 津川雅彦 三宅裕司
小堺一機 伊藤四朗
伊丹十三監督作品は、大方のものを見ていますが、この作品はまだ見ていなかっ
たので見ました。12年前の映画ですが、今とり沙汰されている偽装表示や
様々な偽りが、スーパーを舞台に取り上げていることは見事でした。
社会派といわれる所以でしょう。
スーパー大好き主婦が幼馴染の経営するダメなスーパーマーケットを立て直して
いくという、コメディタッチのストーリーでしたが、後半には、精肉部のチーフと
店長が店の肉を持ち出して盗んで逃げるところを、暗い店内で捕まえようと
追い回したり、トラックのカーチェイスシーン(車の追っかけ)もあり
アクション映画の要素も併せ持っていました。
また、スーパーマーケットで◇輸入牛を和牛として売る◇輸入牛と和牛を混ぜる
◇売れ残りの食品をパックし直して新しい日付で売る(通称:リパック)
◇前日の売れ残った惣菜を翌日の弁当に入れる◇生産地の偽装
◇変色した肉を赤い蛍光灯でごまかす、などといった、悪い体質が暴露され、
この映画による影響で改善されたスーパーマーケットも数多くあったといわれて
いるそうです。
※筆者が観た伊丹十三監督作品
「お葬式」(1984年) 「タンポポ」(1985年) 「マルサの女(注1)」(1987年)
「マルサの女2」(1988年) 「あげまん(注2)」(1990年)
「ミンボーの女(注3)」(1992年) 「スーパーの女」(1996年)
「マルタイの女(注4)」(1997年)
※観てない映画⇒「大病人」(1993年)「静かな生活」(1995年)
(注1)“マルサ”とは強制調査権限を持つ国税局査察官の通称。
(注2)“あげまん・さげまん”とは、①芸人などの隠語で、
運気が上向くこと(あげまん)もしくは下降すること(さげまん)。
また、その状態を指す。「まん」は潮目・運気の意。②俗語で
肉体関係を持つ相手の男の運をあげる女性(あげまん)
もしくはさげる女性(さげまん)。①の「まん」を女性性器の
俗称の略と誤解したところから生まれた。あげまん(映画)は
②の意味として広まった。
(注3)“ミンボー (民暴) ”とはヤクザの民事介入暴力。
ミンボー(民暴)を専門とする女弁護士が主役。
(注4)“マルタイ”とは警察用語で捜査や護衛の対象になる人間を指し、
映画“マルタイの女”では、護衛対象者を指す。“ミンボーの女”
公開後の、伊丹へ対する山口組系後藤組構成員による襲撃事件
で、自身が“マルタイ”になった経験がヒントになったようです。
※伊丹十三(いたみ じゅうぞう/1933年~1997年)/映画監督/身長183cm。
前歴は、俳優・エッセイスト・ドキュメンタリー作家・CM作家・イラストレーター・
商業デザイナーと多才である。戦前の映画監督の伊丹万作は父。
女優の宮本信子は二人目の妻。俳優の池内万作は息子。
ノーベル賞作家の大江健三郎は義弟。51歳のとき「お葬式」で
監督デビューし日本アカデミー賞を受賞。「ミンボーの女」では、
市民が勇気を持って賢く行動すれば、暴力団は負けることを描いたため、
伊丹は5人組の暴力団に刃物で全治3ヶ月の重症を負わせられた。
不倫疑惑が取り沙汰されたことに対して「死をもって潔白を証明する」と
マンションから投身自殺を遂げた。また料理通としても知られていた。
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